20代は勢いでなんとかなった。けれど30代になったある日、同じだけ頑張っているのに成果が伸びない、評価が変わらない、そんな感覚に戸惑うことがあります。この記事では、その伸び悩みの正体と、抜け出すための考え方を紹介します。
30代で訪れる、あの「伸び悩み」の正体
20代の頃は、多少の無理も勢いでこなせました。多くの仕事量をこなし、失敗しても次のチャンスで挽回できる余力があったからです。しかし30代になると、同じ努力量を積んでいるはずなのに、成果がなかなか積み上がらないと感じる瞬間が増えていきます。
たとえば営業職で長く働いてきた人が、昇進した途端に成績が横ばいになる。あるいは、後輩の方が評価されるようになり、自分の立ち位置が分からなくなる。こうした変化は、決して珍しいものではありません。
周囲と比べて焦りが生まれ、自分を責めてしまう人も少なくありません。転職して活躍する友人を見て落ち込んだり、子育てに追われる日々の中で自分の成長が止まっているように感じたりすることもあるでしょう。
ただ、この感覚は能力が落ちたサインではなく、成長のステージが切り替わったサインであることが多いのです。今までのやり方が合わなくなってきただけ、と捉え直すことから始められます。
20代のやり方が通用しなくなる理由
LifeFlowでは、力の使い方の方向性を「フィールド」と呼び、革新・共鳴・継続・設計という4つの方向で捉えます。20代の頃は、勢いよく動き続ける「革新」寄りのやり方が評価されやすい時期でした。しかし30代になると、役割や責任が増え、同じ動き方では通用しなくなる場面が出てきます。
たとえば新卒の頃は思いつきで企画を出すたびに評価されていた人が、マネージャーになった途端、同じやり方をしても空回りしてしまう。周囲を巻き込みながら仕組みを作る力や、じっくり積み上げる力が必要になるからです。
子育てをしている人であれば、なおさら実感しやすいかもしれません。子どもが小さいうちは勢いで乗り切れても、家族が増えたり成長したりする中では、無理のない持続可能なリズムを作る力、つまり「継続」の方向が求められるようになります。
このように、年齢や環境が変わるにつれて、必要とされる力の使い方は少しずつ変化していきます。20代のやり方に固執することが、伸び悩みの一因になっていることは意外と多いのです。
頑張っているのに空回りする、本当の理由
努力の量は変わっていないのに結果が出ない。そんなとき見落とされがちなのが、自分の生まれ持った動力源、つまり「コア」とやり方のズレです。コアとは、何に触れると力が湧くかという性質で、性格とは違い生涯変わらないと考えられています。
たとえば人と話すことで力が湧くタイプの人が、異動によって一人でデータを黙々と分析する業務を任されたとします。真面目にこなしていても、なぜか疲れが抜けない、成果につながらない、という状態が続くことがあります。これは能力不足ではなく、単純に力の湧く場所とやっていることがずれているためです。
学びの場面でも同じことが起こります。資格試験の勉強を頑張っているのに、なかなか頭に入らない。それは興味の対象や学び方が、自分の動力源に合っていないからかもしれません。得意な人のやり方をそのまま真似ても、うまくいかないのはこのためです。
「夢中になれた瞬間」を思い出してみる
LifeFlowでは、時間を忘れて夢中になり、最も力が発揮される状態を「フロー」と呼んでいます。フローの鍵は、誰かに言われたからではなく、自分がやりたいからやっているという内発的な動機です。30代の忙しさの中では、こうした瞬間を思い出す余裕さえ失われがちです。
たとえば休日にDIYや読書に没頭して、気づけば何時間も経っていた経験がある人もいるでしょう。あるいは、会議で新しいアイデアを提案する瞬間にワクワクを感じる人もいます。逆に、決められた手順を淡々とこなす作業に、いつまでも没頭できないという人もいます。
これまでの人生の中で、時間を忘れて取り組めたことは何だったか。子どもの頃に夢中になった遊び、仕事で無我夢中になれた案件、誰かに感謝されたときの高揚感。こうした記憶を振り返る作業は、伸び悩みの原因を探る大きな手がかりになります。
忙しい毎日の中では見過ごされがちですが、フローを思い出すことこそが、自分の動力源に気づく最初の一歩になるのです。
6つの動力源から見えてくる、伸び悩みのサイン
LifeFlowでは、生まれ持った動力源を愛・楽・個・智・徳・才という6つで捉えます。それぞれ、人とのつながりから力を得る、楽しさや遊び心から力を得る、独自性を発揮することで力を得る、知的な探求から力を得る、信頼や貢献から力を得る、結果や実践から力を得るという傾向があります。
この視点で見ると、伸び悩みの感じ方にも違いが見えてきます。たとえば貢献や信頼から力を得る人が、数字ばかりを追う成果主義の環境に置かれると、頑張っているのにやりがいを感じられなくなることがあります。知的な探求から力を得る人が、単調な繰り返し業務に長く縛られると、退屈から気力が落ちていくこともあります。
子育ての場面でも同じことが言えます。人との関わりから力を得るタイプの親が、在宅で一人黙々と作業する時間ばかりになると、想像以上に消耗してしまうことがあります。逆に、独自性を大切にするタイプの人は、決まったルールに沿って子育てをしようとするほど窮屈さを感じやすいものです。
これからの30代を、自分の動力源から描き直す
伸び悩みを感じたとき、多くの人はまず転職や環境を変えることを考えます。しかし、環境を変える前に、自分の動力源を知っておくことで、選択の精度は大きく変わります。同じ会社に残るにしても、部署を変えるにしても、自分に合った力の使い方が分かっていれば、その後の伸び方が違ってくるからです。
たとえば、これまで営業一筋だった人が、実は人を育てることに力が湧くタイプだと気づけば、後輩育成の役割に少しずつ比重を移すという選択肢が見えてきます。子育てと仕事の両立に悩んでいた人が、自分の動力源に合わせて働き方を調整することで、無理なく続けられるリズムを見つけられることもあります。
30代の伸び悩みは、決して後退ではありません。これまでのやり方が通用しなくなったのは、次の段階に進む準備が整いつつあるサインとも言えます。焦って新しい何かを探す前に、自分の動力源に立ち返ってみることが、遠回りのようで一番の近道になります。
自分がどんな力の源を持ち、どう発揮していけば無理なく伸びていけるのか。それを知ることは、これからの30代、40代を歩んでいくうえで、静かな支えになってくれるはずです。
- 30代の伸び悩みは能力低下ではなく、成長のステージが切り替わったサインであることが多い
- 20代の力の使い方が通用しなくなるのは、必要とされる方向性が変化するため
- 頑張っても結果が出ないときは、動力源とやり方のズレが原因になっていることがある
- 時間を忘れて夢中になれた経験を振り返ることが、自分を知る手がかりになる
- 自分の動力源を知ることで、環境を変える前に無理のない伸び方を選べるようになる
