LifeFlowには進み方がある。知る、磨く、合わせる、乗る。この4つを順番通りに見ていくと、いま自分がどこにいるかが見⁠え⁠て⁠く⁠る⁠。

なぜ順番があるのか

LifeFlowは4つの段階で進む。知る、磨く、合わせる、乗る。この順番には意味があり、途中を飛ばすことが⁠で⁠き⁠な⁠い⁠。

たとえば入社2年目の会社員が、いきなり「自分らしいリーダーシップ」を身につけようと研修に申し込むことがある。だがその前に、自分が何に力を感じるのかを知らないまま磨こうとすると、方向がぶれ⁠て⁠し⁠ま⁠う⁠。

知るは土台で、磨くはその上に積む経験、合わせるはタイミングの読み方、乗るは今の状態の確認だ。順番が逆になると、どこかで無理が出⁠る⁠。

家庭でも似たことが起きる。子どもの習い事を選ぶとき、子どもの得意不得意を知る前に「みんなやっているから」で始めると、続かないことが多⁠い⁠。

高校生が部活を選ぶときも同じで、先に「強豪校だから」で決めると、自分の得意と合わずに苦しむこ⁠と⁠が⁠あ⁠る⁠。

たとえば料理を始めるとき、道具を先に買いそろえても、自分がどんな料理を作りたいか分からなければ長続⁠き⁠し⁠な⁠い⁠。

順番を意識するだけで、遠回りに見えた選択が、実は最短ルートだったと後から気づくことも多⁠い⁠。

順番を守ることは遠回りに見えるが、土台がないまま積むよりも、結局は近道になることが多い。この連載では、この4つの段階を順に見ていく。まずは最初の段階、知るから話を始⁠め⁠た⁠い⁠。

知る──コアを知ることから始まる

知るとは、自分のコアを知ることだ。コアは生まれ持った動力源で、何に触れると力が湧くかを示⁠す⁠。

これは生年月日によって決まり、6つある。性格とは違い、経験や努力で変わるものではなく、生涯を通じて変⁠わ⁠ら⁠な⁠い⁠。

40代の営業職の男性がいたとする。成績は悪くないが、どこか消耗している感覚が抜けず、自己啓発本を何冊も読んで「もっと外向的になろう」と頑張⁠っ⁠て⁠き⁠た⁠。

だが本人のコアが人との勝負よりも、じっくり考えることに力が湧くコアだったとしたら、外向的になろうとする努力そのものが空回りの原因になっていたかも⁠し⁠れ⁠な⁠い⁠。

主婦の女性が趣味のパン教室で講師役を任されたとき、教えることに疲れず、むしろ力が湧く自分に驚いたという話もある。それも一つのコアの表⁠れ⁠方⁠だ⁠。

友人同士で同じ資格を取っても、片方は生き生きと働き、もう片方はすぐに疲れてしまうことがある。それもコアの違いによるものかも⁠し⁠れ⁠な⁠い⁠。

コアは優劣を示すものではなく、単に力の湧く場所が違うだけだと考えると、自分にも他人にも優し⁠く⁠な⁠れ⁠る⁠。

コアについて、やることは実は2つしかない。知ることと、受け入れることだ。良し悪しの話ではなく、単なる傾向の違いだと捉えると、受け入れや⁠す⁠く⁠な⁠る⁠。

磨く──フィールドとコンパスは経験の中で育つ

知るがコアの話だとすれば、磨くはその力をどう発揮するかの話になる。ここで出てくるのがフィールドとコ⁠ン⁠パ⁠ス⁠だ⁠。

フィールドは4つの方向で、革新・共鳴・継続・設計という大きな向きを示す。コンパスはそれをさらに細かくした8つの役割で、創造者や発信者、支援者や管理者などがあ⁠る⁠。

コアとコンパスを掛け合わせると、「愛の創造者」のような呼び方になる。同じコアでも、どの役割で力を出すかによって見え方はかなり変わ⁠っ⁠て⁠く⁠る⁠。

20代の新入社員が、企画部でプロジェクトに関わり始めたとする。最初はアイデアを出す役が向いていると思っていたが、実際にやってみると、周りの意見をまとめて形にする役のほうがしっくりくることに気⁠づ⁠い⁠た⁠。

中学校の部活動でキャプテンを任された生徒が、指示を出すより仲間の話を聞く役割の方が、実は力を発揮できたという例もあ⁠る⁠。

大学のサークル活動で、リーダー役よりも裏方の調整役の方が輝く学生がいるように、役割は人それぞ⁠れ⁠異⁠な⁠る⁠。

フィールドやコンパスは固定された肩書きではなく、状況に応じて少しずつ形を変えていくものだと捉えるとよ⁠い⁠。

フィールドやコンパスは一度決まったら固定されるものではなく、環境が変われば、また違う側面が見えてくることもある。だから磨くの段階では、試すことそのものに意味があ⁠る⁠。

合わせる──12サイクルは、動かせないものを読む

合わせるは、いつ動くかの話になる。ここで関わってくるのが12サイクルで、12年かけて一巡する時間の流れを指⁠す⁠。

この段階が他の3つと決定的に違うのは、自分では動かせないという点だ。知る・磨く・乗るは努力すれば進む行動だが、合わせるだけは、時期でないときに動かない、待つ、という選択が含⁠ま⁠れ⁠る⁠。

できることは2つだけ。巡ってくる時期を読むことと、そこに自分を置くことだ。動かすのではなく、合わせにい⁠く⁠。

ここで多くの人がつまずく。30代の女性が、副業として始めた小さな雑貨販売を軌道に乗せようと、時期を問わず全力で広告費をつぎ込んだとす⁠る⁠。

農家が種をまく時期を見誤ると、いくら手をかけても実りは薄くなる。ビジネスの時期も同じように、目には見えない巡りがあ⁠る⁠。

転職活動でも、応募のタイミングを見誤ると、実力があっても縁がつながらないこ⁠と⁠が⁠あ⁠る⁠。

巡りを読む力は、焦りを手放し、静かに機会を待つ姿勢からしか育⁠た⁠な⁠い⁠。

待つことは怠けることではなく、力を蓄えて次の動きに備える準備の時間だと考えると、少しずつ受け入れや⁠す⁠く⁠な⁠る⁠。

合わせるだけは、やらないことを含む。それが4つの段階の中でいちばん誤解されやすい。

乗る──フローレベルで、今の乗り方を見る

乗るは、知る・磨く・合わせるの3つが噛み合った状態を指す。ここでいまの状態を見るのがフロー⁠レ⁠ベ⁠ル⁠だ⁠。

上からフロー、解放、ループ、制約の4段階がある。フローは自由に選べる状態、解放は決めて引き受ける状態、ループはやるが決めていない状態、制約は言うがやらない状態を指⁠す⁠。

これは時間が経てば自然に上がるものではない。むしろ、やることを減らしたときに上がることが多⁠い⁠。

子育て中の母親が、家事も仕事も全部自分でやろうと抱え込んでいる時期は、ループに近い状態になりやすい。決めているつもりでも、実際はやることに追わ⁠れ⁠て⁠い⁠る⁠。

フリーランスのデザイナーが仕事を減らし、引き受ける案件を自分で選び始めたところ、同じ収入でも心の余裕が増したという声もあ⁠る⁠。

教師が担任するクラスの人数を減らしたところ、一人ひとりと向き合う余裕が生まれ、指導の質が上がったという例もあ⁠る⁠。

フローレベルは固定された評価ではなく、日々の選び方によって行き来する、生きた指標だと考えるとよ⁠い⁠。

フローレベルは他人と比べるものではなく、あくまで自分の中の乗り方を確認するための目安にすぎない。一度身についた乗り方は、簡単には消⁠え⁠な⁠い⁠。

頑張るより、乗るという話

ここまでの4段階を振り返ると、努力でどうにかなる部分とならない部分が混在していることがわかる。知る・磨く・乗るは行動で進むが、合わせるだけは待つことを含⁠む⁠。

「頑張るより、乗る」という言葉は、漕ぐ量を減らせという意味ではない。漕ぐタイミングの話⁠だ⁠。

50代で独立を考えている会社員がいたとする。準備は十分にできているのに、なぜかうまく話が進まない時期が続⁠い⁠て⁠い⁠た⁠。

焦って営業を増やすほど空回りし、半年後、思いがけない紹介から一気に話が動き出した。振り返ると、動くべき時期がずれていただけだったとわ⁠か⁠る⁠。

受験生が模試の結果に一喜一憂するより、今の自分の勉強の進め方を見直すほうが、合格に近づくこともある。頑張りの方向を見直す視点は、どんな場面にも応⁠用⁠で⁠き⁠る⁠。

起業家が事業を一時的に縮小し、注力する分野を絞ったことで、かえって業績が伸びたという話も少⁠な⁠く⁠な⁠い⁠。

漕ぐ力を抜くことは怠慢ではなく、次の波に乗るための準備だと考えると、無理に頑張り続ける必要がな⁠く⁠な⁠る⁠。

4つの段階は一度きりで終わるものではなく、人生の中で何度も行き来しながら深まっていく。すべての起点は、最初の段階である「コアを知る」ことにある。自分の動力源を知ることは、この4段階のどこにいても支えにな⁠る⁠。

この記事のまとめ
  • LifeFlowは知る・磨く・合わせる・乗るの4段階で進み、順番を飛ばせない
  • 知る=コア。生年月日で決まり生涯変わらないので、やることは知ると受け入れるだけ
  • 磨く=フィールドとコンパス。経験の中で育ち、コアと掛け合わせて役割になる
  • 合わせる=12サイクル。自分では動かせず、時期でないときは待つことも含まれる
  • 乗る=噛み合った状態。フローレベルは時間ではなく、減らしたときに上がる