同じ仕事をしていても、なぜか疲れが抜けない人と、忙しくても生き生きしている人がいます。その違いは能力ではなく、働き方が自分に合っているかどうかにあるのかもしれません。
「働き方が合わない」と感じる瞬間とは
朝、出社する前にどんよりと気が重くなる。会議の議事録が続くと、なぜか集中が続かない。逆に、企画のアイデア出しをしているときだけは時間を忘れる。こうした感覚の揺れは、誰にでも心当たりがあるのではないでしょうか。
例えば、細かい事務作業をコツコツ進めるのが得意な人がいる一方で、同じ作業を数時間続けるだけでどっと疲れてしまう人もいます。これは怠けているのではなく、その作業が自分の得意な力の使い方と噛み合っていないだけかもしれません。
「合わない」という感覚は、本来はとても大切なサインです。頭では「頑張らなければ」と思っていても、心と体がブレーキをかけている状態とも言えます。この違和感を無視し続けると、じわじわとエネルギーが削られていきます。
たとえば、会議中にメモを取る作業ばかりが続くと、内容は理解していても気持ちがついていかないことがあります。反対に、雑談から新しい企画のヒントを拾い上げる瞬間には、自然と背筋が伸びるような感覚を覚える人もいます。こうした小さな体感の差を丁寧に拾っていくことが、自分の動力源を知る手がかりになります。
頑張っても空回りする理由
真面目な人ほど、「もっと努力すれば慣れるはず」と自分を追い込みがちです。実際、ある程度までは根性で乗り切れることもあります。しかし、その頑張りが長続きしない場合、原因はスキル不足ではなく、そもそもの力の使い方が合っていない可能性があります。
たとえば、人と話しながらアイデアを広げることで力が湧くタイプの人が、一日中黙々とデータ入力をする仕事に就いたとします。技術的にはこなせても、日々の充実感はなかなか得られません。逆に、静かにひとりで集中したいタイプの人が、常に人と調整しながら動く営業職に配属されると、同じように消耗してしまいます。
このように、努力の量ではなく、努力の「向け先」がずれていることが、空回りの正体であることは少なくありません。LifeFlowでは、この向け先の土台になる部分を「コア」と呼んでいます。コアは性格診断のように移ろうものではなく、生まれ持った動力源であり、生涯を通じて大きくは変わらないと考えられています。
たとえば、几帳面に手順を守ることに安心感を覚える人が、常に新しい提案を求められる部署に配属されると、正解のない状況そのものがストレスになることがあります。逆に、変化を楽しめる人にとっては、同じ状況がやりがいに変わります。努力の量を増やす前に、まず向いている方向を確認してみることが大切です。
環境のせいか、自分の動力源のせいか
働き方が合わないと感じたとき、多くの人はまず環境や人間関係のせいにしがちです。もちろん、職場の文化や上司との相性が大きく影響することは事実です。しかし、環境を変えても同じような違和感を繰り返す場合は、視点を少し変えてみる必要があります。
例えば、転職を繰り返しても「なんとなく物足りない」という感覚がついて回る人がいます。業種や会社は変わっても、任される役割の性質が似ていることは意外と多いものです。その場合、変えるべきは会社ではなく、自分がどんな力の使い方をしたいのかという理解かもしれません。
子育てにも似たところがあります。子どもに「もっと集中しなさい」と声をかけても、その子が動きながら考えるタイプなら、じっと座らせること自体が逆効果になることがあります。大人の働き方も同じで、環境を整える前に、自分の動力源をきちんと理解しておくことが遠回りのようで近道になります。
たとえば、上司との相性が悪いと感じて異動願いを出し、実際に部署が変わっても、また似たような窮屈さを覚えることがあります。こうした繰り返しは、環境よりも自分の力の使い方への理解不足が背景にある場合が少なくありません。まず自分の傾向を把握しておくと、次の環境選びの精度も上がっていきます。
コアという視点で働き方を見つめ直す
LifeFlowでは、人が力を発揮する源を6つのコアに分けて捉えています。呼称はあえて一文字で表され、愛・楽・個・智・徳・才として説明されます。これは性格分類ではなく、何に触れたときに自然とエネルギーが湧くかという、いわば内側の燃料の違いです。
例えば、人との関わりの中で力が湧くタイプの人にとっては、チームで進める仕事が向いていることが多いでしょう。一方、ひとりで深く考える時間にこそ力が湧くタイプの人には、じっくり調べ物をするような仕事の方が心地よく感じられます。どちらが優れているという話ではなく、単純に燃料の種類が違うだけです。
働き方の違和感に向き合うとき、「自分は何をしているときに疲れにくいか」と振り返ってみることは、コアを理解する小さな手がかりになります。例えば休日に、掃除で部屋を整えることに満足感を覚えるのか、新しい店を開拓することにワクワクするのかといった些細な違いにも、そのヒントは隠れています。
たとえば、資料を淡々と整理することに落ち着きを覚える人と、人と話しながらアイデアを広げることに心が弾む人とでは、同じ「頑張る」でも中身がまったく違います。どちらが優れているという話ではなく、単に燃料の種類が異なるだけだと捉えると、自分にも周囲にも優しくなれます。
フィールド—力の発揮の方向性
コアが動力源だとすれば、その力をどんな方向で使うかを表すのが「フィールド」という考え方です。LifeFlowでは、革新・共鳴・継続・設計という4つの方向で捉えます。同じコアを持つ人同士でも、フィールドの違いによって働き方の実感は大きく変わってきます。
例えば、同じように人との関わりに力が湧くタイプでも、新しい企画を次々と生み出すことに喜びを感じる人もいれば、既存のチームの空気をまとめて安定させることにやりがいを感じる人もいます。前者は革新に近く、後者は共鳴や継続に近い働き方と言えるでしょう。フィールドは経験の中で育っていくものなので、若い頃と今とで得意な発揮の仕方が変わることも自然なことです。
働き方が合わないと感じたときは、コアだけでなく、今の役割がどのフィールドを求めているかを確認してみるのも有効です。設計や仕組み作りが得意な人が、日々の細かな調整業務ばかりを任されていれば、力を発揮しにくいのは当然のことかもしれません。
たとえば、同じ「継続」を得意とする人でも、ひとつの技術を極めていくことに喜びを感じる人もいれば、チームの安定した雰囲気を守り続けることにやりがいを感じる人もいます。フィールドの違いを知っておくと、同じコアを持つ同僚とも働き方の好みが違う理由に納得がいきます。
フローに入れる環境を選ぶということ
時間を忘れて夢中になり、気づけば大きな成果を出している。そんな状態をLifeFlowでは「フロー」と呼んでいます。フローの鍵になるのは、義務感ではなく「やりたいからやっている」という内発的な動機です。
例えば、資料作りが好きで、頼まれてもいないのに休日に読みやすいテンプレートを作ってしまう人がいます。本人にとっては趣味の延長のような感覚でも、それは立派な力の発揮であり、フローに近い状態と言えるでしょう。逆に、周囲からの評価を気にして無理に取り組んでいることは、どれだけ結果を出しても心には積み上がっていきにくいものです。
働き方が合わないと感じたら、まずは自分がどんな瞬間に時間を忘れるかを思い出してみることをおすすめします。その先に見えてくるのは、転職先の業種や役職の話ではなく、自分がもともと持っている動力源、つまりコアへの理解です。焦って環境を変える前に、自分の中にある燃料の種類を知ることが、案外いちばんの近道になるのではないでしょうか。
たとえば、子どもが遊びに没頭して声をかけても気づかない瞬間があるように、大人にも似た感覚は残っています。仕事の中でふとその感覚が蘇る瞬間があれば、それは今の環境が自分の動力源と噛み合っているサインかもしれません。
- 働き方の違和感は甘えではなく、自分に合わない力の使い方をしているサインかもしれない
- 努力の量ではなく、努力の向け先がずれていることが空回りの原因になりやすい
- コアは生まれ持った動力源で、愛・楽・個・智・徳・才の6つに分けて捉えられる
- フィールドは力を発揮する方向で、革新・共鳴・継続・設計として経験の中で育っていく
- 環境を変える前に、自分の動力源を理解することが働き方を見直す近道になる
