「自分の強みって、結局なんだろう」——そう考えたことのある人は、多いと思います。LifeFlowでは、その手がかりを二つの言葉で捉えます。ひとつは、生まれ持った変わらない「コア」。もうひとつは、その力を“どう発揮するか”という方向、「フィールド」です。コアが「何で力が湧くか」だとすれば、フィールドは「その力を、どちらへ向けて出していくか」。この二つが重なるところに、あなたらしい力の出し方が見えてきます。

コアは動力源、フィールドは向き

まず、コアの話から始めます。コアは、その人が生まれ持った動力源です。何に触れると心が動き、体が前に出るのか。誰かの役に立てたときに力が湧く人もいれば、面白いと感じた瞬間に動き出す人、本質を掘り下げているときにいちばん深く集中できる人もいます。これは生涯を通して、ほとんど変わりません。

一方で、同じ動力源を持っていても、その力の出し方は人によって驚くほど違います。ある人は、まだ誰もやっていないことに真っ先に飛び込みます。別の人は、仲間と一緒だと何倍もの力を出します。また別の人は、一つのことをコツコツ続けて着実に形にしていく。この「力がどちらへ向かうか」という方向が、フィールドです。

車にたとえるなら、コアはエンジンそのもの。どれだけ力強く回るかは、生まれたときから決まっています。フィールドは、そのエンジンの力をどの方向へ走らせるかという、ハンドルの向きのようなもの。同じエンジンでも、向ける先が違えば、たどり着く景色はまったく変わってきます。

フィールドは、育っていく

ここが、コアといちばん違うところです。コアが生涯変わらないのに対して、フィールドは経験の中で育っていきます。そして、変わりうるものでもあります。

子どもの頃を思い出してみてください。人前に立つのが苦手だった人が、部活のキャプテンを任されるうちに、いつのまにか人をまとめる方向で力を出せるようになっていた。逆に、いつもみんなの輪の中心にいた人が、大人になってから一人で深く考える時間の中にこそ自分の力があると気づいた。こうした変化は、決して珍しいものではありません。

これまで、どんな環境で、どんな役割を担い、何を乗り越えてきたか。その一つひとつの経験が、今のあなたのフィールドをかたちづくっています。だからこそフィールドには、これまでの歩みが刻まれています。そして、これから積む経験によって、まだ変わっていく余地も残されている。今のフィールドは、あなたの「途中経過」なのです。

フィールドには、4つの方向がある

フィールドの向きは、大きく4つの方向で捉えます。どれも、力の出し方の“クセ”のようなものです。

革新
まだ誰もやっていないことを、直感で切り開いていく方向。
共鳴
人とのつながりの中で、力が何倍にもなっていく方向。
継続
コツコツ積み上げ、着実に形にしていく方向。
設計
一人で深く考え抜き、構造をつくっていく方向。

身近な場面で考えると、わかりやすいかもしれません。新しい企画が持ち上がったとき、真っ先に「やってみよう」と手を挙げる人は、革新の方向に力があります。その企画を、人を巻き込みながら大きくしていくのが得意な人は共鳴。地道な準備を最後までやり抜くのが継続。全体の段取りを一人で組み立てて設計図にするのが設計です。ひとつのプロジェクトの中に、実は4つの方向がぜんぶ必要とされているのです。

大切なのは、どの方向が優れている、ということはないという点です。あるのは、優劣ではなく「向き」の違いだけ。革新が新しさを生み、共鳴が輪を広げ、継続が形を残し、設計が土台を組む。それぞれが違う役割を担っていて、どれか一つが欠けても、ものごとは前に進みません。

フィールドは、あなたの優劣を測るものではありません。あなたの力が、どちらを向いて出ていくのか——その「向き」を教えてくれる、いわば方位磁針のようなものです。

同じ職場でも、力の向きは人それぞれ

もう少し、日常の風景に引き寄せてみましょう。たとえば、同じお店で働く4人がいるとします。仕事の内容も、勤めている年数も、そう変わりません。それでも、力の出しどころは驚くほど違います。

一人は、季節ごとに新しいメニューを思いついては「これ、やってみませんか」と提案します。一人は、常連さんの名前と好みをぜんぶ覚えていて、その人がいるだけで店の空気がやわらぐ。一人は、毎日の仕込みや片づけを、来る日も来る日も丁寧にこなし、気づけばお店の土台を支えている。そして一人は、混雑する時間帯の動線や段取りを頭の中で組み立て直し、無駄のない仕組みをつくっていく。

革新、共鳴、継続、設計。4つの方向が、同じ職場の中に自然と分かれて存在しているのがわかります。そして面白いのは、この4人がそろっているお店は、うまく回るということ。新しさを持ち込む人、人をつなぐ人、続ける人、仕組みをつくる人。どれか一つに偏らず、それぞれが自分の向きで力を出しているからこそ、全体がなめらかに流れていきます。自分がどの向きなのかを知ることは、こうしたチームの中で「自分はどこで役に立てるのか」を見つける手がかりにもなります。

「好き」や行動ではなく、“方向”で捉える

自分を知ろうとするとき、多くの人は「好きなこと」や「よくやっている行動」から考えます。もちろん、それも入り口としては大切です。ただ、それだけだと、少し足をすくわれることがあります。

「好き」は感情なので、移ろいます。昨日まで夢中だったことが、義務になった瞬間に色あせてしまう。表面の行動も、そのときの環境や役割で、いくらでも変わります。営業の仕事をしているからといって、その人のフィールドが必ず共鳴だとは限りません。たまたま与えられた役割をこなしているだけ、ということも多いからです。

フィールドは、その一段深いところにある「力がどちらへ向かうか」という傾向です。何をしているかではなく、どの向きに力を出しているとき、いちばん自然でいられるか。ここで捉えると、表面の肩書きや流行に振り回されずに、自分の芯に近いところで進む方向を選べるようになります。

コアとフィールドが重なるところに

そして、いちばん大事なのがここです。生まれ持ったコアと、育ってきたフィールドが重なるところに、その人らしい力の出し方が見えてきます。

たとえば、誰かの役に立てたときに力が湧くというコアを持つ人。その力が共鳴の方向に育っていれば、人と人をつなぐ場で輝きます。同じコアでも、設計の方向に育っていれば、困っている人のために仕組みそのものを一人で組み上げることに力を発揮するでしょう。動力源は同じでも、向きが違えば、あらわれ方はまるで違ってくる。だから、コアとフィールドは片方だけではなく、二つを合わせて見る意味があります。

そして、フィールドは育つからこそ、今からでも変えていける。もし今、自分の力が思うように出せていないと感じているなら、それはコアが弱いからではなく、フィールドの向きが、今の場所や役割と少しずれているだけかもしれません。向きは、これからの経験で調整していけます。ここに、静かな希望があります。自分を固定されたものとして諦めるのではなく、「これから育てていける部分がある」と捉え直せるからです。

自分のコアを知り、今のフィールドの向きを知る。この二つが分かると、進む道を選ぶときの手応えが変わります。無理に苦手な方向へ体をねじ込むのではなく、力が自然に向かう先へ、一歩ずつ舵を切っていける。LifeFlowは、そのための地図のようなものです。生年月日と、かんたんな質問から、あなたのコアと、今のフィールドの向きを映し出します。まずは、自分の“向き”を知ることから始めてみてください。

この記事のまとめ
  • コアは生まれ持った変わらない「動力源」、フィールドはその力を「どう発揮するか」の方向
  • フィールドは、これまでの環境・役割・経験の中で育ち、これからも変わりうる
  • 方向は4つ——革新・共鳴・継続・設計。優劣ではなく「向き」の違いだけ
  • 「好き」や表面の行動ではなく“方向”で捉えると、芯に近いところで道を選べる
  • 生まれ持ったコアと、育ってきたフィールドが重なるところに、その人らしい力の出し方が見える